Renesasは、世界20カ国以上に拠点を持つ主要なグローバル半導体企業です。数年にわたるいくつかの合併や買収の後、同社はシステム継承とデータ管理に苦戦していました。RenesasはAras Innovatorを導入し、データ、プロセス、システムを統一し、将来の成長と成功に備えました。
「ドキュメントの管理が一元化されたことで、データを探すのにかかる時間や労力が劇的に削減され、情報を共有することも極めて容易になりました。その結果、設計情報の管理にかかる工数を削減することができました。」
ルネサスエレクトロニクス株式会社 情報システム統括部 製品開発支援システム部 部長 西村英孝(Hidetaka Nishimura)氏。
課題
Renesasは、20か国以上に拠点を置く主要なグローバル半導体企業です。Renesasはマイクロコントローラ(MC)、アナログ、パワーセミコンダクター、SoC(システムオンチップ)製品において世界的なリーダーです。半導体の大規模集積回路(LSI)は、同社のビジネスの中核を成すものです。
RenesasのLSI設計は、ハードウェア、ドライバー、ミドルウェアにまで及びます。同社は顧客向けに個別のアプリケーションも開発しています。複数の製品やソフトウェアを組み合わせることは、RenesasのLSI(大規模集積)設計にはしばしば必要であり、これにより製品ライフサイクルでの複雑さが増します。
Renesasの複雑な製品ライフサイクルに加えて、過去数年間のさまざまな合併や買収が、システムの継承やデータ管理に関する課題を引き起こしました。開発文化、ビジネスプロセス、ITリソースは、製品設計データとともに統合する必要がありましたが、それらはすべて複数のシステムに分散していました。
その結果、Renesasは、効率の低いデータ管理に苦しみました。デザインデータの取得、閲覧、編集、再利用に関する課題もありました。
PLM の要件
Renesasは、グローバルなLSI市場の急速な変化に遅れを取らないようにするために、統合されたプラットフォームが必要だと判断しました。また、M&A後に新しい事業を統合する際に、内部プロセスとシステムを合理化して非効率性や冗長性を回避する必要がありました。
Renesasはまた、独自の製品ニーズに対応できるプラットフォームが必要でした。たとえば、検索を開始したばかりの段階で、Renesasは、ほとんどのPLMシステムが機械CADツールのベンダーによって開発されており、半導体の設計に使用されるEDA(電子設計自動化)ツールに必要な機能を提供できないことを発見しました(これは機械設計で使用されるCADツールとは異なります)。
- システムを統合できる統一されたプラットフォーム
- ビジネスプロセスの標準化
- グローバル展開に適した高度にスケーラブルなPLM(グローバルサポート付き)
- 構成およびビジネス運営の変更に適応できる柔軟性
- 段階的に企業全体に展開できる能力
Aras Innovator による成功
Renesasによれば、これらすべての問題を解決できるコスト競争力のある統合管理システムを見つける際に、唯一の解決策はAras Innovatorでした。
Aras Innovatorは、同社の設計部門で主に使用されており、国内2か所と海外5か所で約5,000人が使用しています。 Aras Innovatorは、製品開発管理、開発欠陥情報管理、知的財産(IP)管理、IP納品物管理など、さまざまなビジネスプロセスに段階的に導入されました。
Renesasは、プラットフォームが独自の特定のニーズを満たすようにArasと密接に連携しました。たとえば、Renesasのチームメンバーが海外の拠点とIP情報を共有する場合、それは「技術輸出」と見なされ、各国の法律に従う必要があります。 Renesasは、プロジェクト管理、製品エンジニアリング、および文書管理を含むさまざまなニーズに合わせてAras Innovatorの機能をカスタマイズしました。 Renesasはまた、Arasと密接に連携して、輸出管理と輸出管理規則(EAR)をサポートする機能を開発しました。
結果:一元化した PLM により半導体業界をリードする存在に
RenesasでAras Innovatorが実装されたことで、情報管理が中央集権化され、データ管理時間が短縮され、IPの再利用が促進され、管理の正確さ、データの検索可能性、およびIPロイヤルティ管理の正確さが向上しました。
デザイナーを手作業やデザイン管理から解放することで、彼らは元のデザイン作業により集中することができます。 Aras Innovatorの低コードプラットフォームにより、チームは新しいシステムを素早く追加でき、複雑なプログラムを書く必要がなく、Renesasがシステムをワークフローに適応させて効率をさらに向上させるのが容易になります。
将来、Renesasは、Aras Innovatorを使用して新機能を実装し、IPロイヤルティ管理機能を拡張し、Arasを他の主要な開発ツールにリンクする「OpsHub」を構築し、アジャイル開発方法である「SAFe」およびシステムエンジニアリングを採用する予定です。システムアーキテクチャなどのアプリケーションの使用も検討されています。