製品開発におけるワークフローの重要性

製品開発におけるワークフローの重要性

製品はますます複雑化し、設計から調達、品質管理、サプライヤー連携まで、多拠点・多部門が関わる大規模な協働が当たり前になっています。

こうした環境でPLM(Product Lifecycle Management)に期待される成果は、開発リードタイムの短縮データの一元管理とトレーサビリティ品質向上とコンプライアンス対応、そしてコスト削減です。

しかし、これらの成果を現実の業務に落とし込むには、データそのものの管理だけでなく、「誰に、いつ、どんな情報を渡すのか」を規定するワークフローが不可欠です。PLMとワークフローは切り離して考えることはできません。

Arasの提供するPLMソフトウエアソリューション、「Aras Innovator」でこれらの課題を解決します。
「Aras Innovator」についてはこちらでご紹介しています。
Aras Innovatorについて詳しく知る

ワークフローとは

業務を整理し、可視化する仕組み

ワークフロー(workflow) とは、業務の一連の流れを定義する仕組みで、関係者・手順・承認ルート・共有する必要な情報を明確にします。私たちの日常業務にはたくさんのワークフローが存在しています。例えば、経費精算、稟議、発注、設計変更などがあります。

経費精算を例にワークフローを考えてみましょう。単に申請者と上司のやり取りにとどまらず、最終的に支払いを実行する経理部門もプロセスに関わります。

ここでは以下のような要素が明確化されます。

  • プロセスの流れ:申請 → 上司承認 → 経理確認 → 支払い手続き
  • 必要書類:領収書や明細書の添付
  • 承認者:金額や用途に応じて変わる承認ルート
  • 確認事項:金額の正確性や業務関連性のチェック

また、申請条件に不備がある場合は、承認者がコメントを追加・差し戻しができる、それに基づき申請者が修正をし再度申請できる仕組みも必要です。

このようにワークフローを定義することで、業務プロセスが可視化されます。どの部署の誰と連携する必要があるのか、申請時にどのような情報が必要なのかが明確になり、業務を円滑に進めるうえで重要な要素となります。

モノづくりにおける
ワークフローとは

可視化が生み出す、新たな気づき

モノづくりの現場には、目に見えるものから見えにくいものまで、大小さまざまなワークフローが存在しています。設計、調達、製造、品質保証、出荷といった大きな流れもあれば、その中に含まれる小さな作業手順や確認プロセスもあります。これらは互いに絡み合い、全体として大きなワークフローを構成しています。

こうした業務を「ワークフロー」という視点で捉え直してみると、普段の仕事の中で当たり前に行っていることの裏に、実は多くの課題が潜んでいることに気づきます。

ワークフローに置き換えると見えてくる課題

 製品開発におけるワークフローの重要性

マニュアル作業の
煩雑さ

多くの場合、改善の余地を認識しながら続けられているマニュアル作業は、作業者に大きな負担を与えています。

そしてその負担は、個々の業務にとどまらず、ワークフロー全体を滞らせ、組織の生産性を大きく損なう原因となります。

 製品開発におけるワークフローの重要性

メール依存のやり取り

メールに依存した承認・確認のプロセスは、情報が散在しやすく、必要な記録や関連メールを探し出すだけでも多大な時間と労力を要します。

その結果、意思決定が遅れ、ワークフロー全体のスピードを大きく損なう原因となります。

 製品開発におけるワークフローの重要性

停滞の原因が不明確

どの段階で作業が滞っているのかが見えにくく、遅延の原因を特定できないまま進行が遅れてしまいます。

その結果、問題解決が後手に回り、業務全体のスピードと生産性を大きく損ないます。

 製品開発におけるワークフローの重要性

属人化した業務

「この人にしか分からない」という作業が存在すると、その人が不在になった瞬間に業務が止まってしまいます。

ゆえに、知識やノウハウが特定の個人に依存することで代替が利かず、組織全体の業務継続性が脆弱になり、大きなリスクを抱えることになります。

 製品開発におけるワークフローの重要性

ファイルの散在とアクセス制限

必要な資料が複数の場所に分散していたり、アクセス権限が限られていたりすると、確認のために余計な時間と手間がかかります。

必要な情報にアクセスできないことで流れが止まり、業務のスピードと効率が大きく低下してしまいます

 製品開発におけるワークフローの重要性

複雑すぎる承認フロー

複数人、さらには複数部署にまたがる承認フローでは、「誰に連絡すべきか」「どんな条件を満たす必要があるのか」といった、承認そのもの以外にも考慮すべきプロセスが発生します。

こうした過剰な承認プロセスは全体のスピードを奪い、意思決定を大幅に遅らせる要因となります。

可視化の効果

このような課題は、日々の業務では気づきにくいものです。しかし、ワークフローに置き換えて「流れ」として可視化すると、それまで隠れていた無駄や非効率が浮かび上がります。

可視化によって得られるのは単なる問題の発見ではありません。

改善の優先順位をつけられる

  • 属人化を防ぎ、誰でも理解できる仕組みに変えられる
  • 業務の全体像を共有でき、組織全体の透明性が高まる

つまり、ワークフローを意識することは、モノづくりの現場をより効率的で持続可能なものへと変えていく第一歩なのです。

業務にシステムを合わせる

実際に形にするために欠かせないこと

多くの業務フローは、いまだにメールやExcel、紙といった手段で運用されています。その結果、業務が属人化したり、全体の流れがブラックボックス化したりするケースは少なくありません。特にエンジニアリングデータにおいては、専門ツールを使わない関係者にも内容を確認できるよう、ビューワーなどを活用した仕組みが不可欠です。

ところが、システムを導入すればすべてが解決するわけではありません。「現場のやり方に合わない」「結局は手作業が残ってしまう」といった声も多く聞かれます。つまり真の課題は、データそのものの管理だけでなく、“流れ”の設計と実行をいかに仕組み化するかにあるのです。

1. 複雑な承認条件への対応

エンジニアリングの現場では、単純な「承認・否認」だけでなく、多数決による合意、差し戻し、複数部門による合議といった多様な条件分岐が求められます。さらに、承認者の異動や役割変更も頻繁に起こるため、状況に応じて柔軟に権限を設定できる仕組みが不可欠です。

2. 全社・大規模対応の信頼性

数百人規模の組織でも安定して利用できることは必須です。人事異動や組織改編に追従できない設計では、すぐにメンテナンス不能に陥ってしまいます。また、規制対応や監査に備え、履歴や承認ルートを保持できる仕組みも求められます。

3. 回覧するコンテンツ

モノづくりの現場では、やり取りするデータはCADや解析結果、Excel、PDFなど実にさまざまです。しかも保存場所が一つにまとまっているとは限らず、部門ごとやプロジェクトごとに散らばっているのが実情です。

そこで重要になるのが、どんな形式のデータでも効率よく回覧できる仕組みです。例えば、CADビューワーなどの専用アプリを立ち上げなくてもブラウザから直接確認できる、必要な書類はファイルを添付するのではなくリンクを送るだけで共有できるようにすれば、確認や回覧すべきドキュメントを探す手間ややり取りの負担は大幅に減ります。その結果、誰もが同じ情報にスムーズにアクセスでき、業務の流れもより自然で滞りのないものになります。

4.他システムとの連携

コンテンツが同じサーバーに保存されているとは限らないため、さまざまなデータ保存先と柔軟に連携できる設計が求められます。ワークフローに必要なコンテンツを、場所に依存せず円滑に提供できる仕組みこそが、実用性のカギとなります。

こうした観点を踏まえたワークフロー構築こそが、現場にシステムを無理に合わせさせるのではなく、業務にシステムを合わせていく本質的なアプローチです。その結果、業務の透明性と効率が向上し、持続可能な改善につながっていきます。

既存システムとの連携

必要な部分から段階的に進める統合

従来のシステム導入では、「システムに業務を合わせる」ことが前提となり、結局は一部を手作業やメールで補わざるを得ないケースが少なくありませんでした。

Aras Innovator はその逆で、「業務にシステムを合わせる」設計思想を採用しています。ローコード開発を活用することで、現場が培ってきた独自のやり方を尊重しつつ、柔軟にワークフローを構築することが可能です。

その結果、業務の流れをシステムが妨げるのではなく、むしろ支え、改善を積み重ねられる環境を実現できます。これこそが、オープンなアーキテクチャを採用する Aras Innovator ならではの強みです。

流れを止めない柔軟性

各部署や部門ごとに「やりたいこと」が違っても、Arasなら対応が可能です。人・組織・製品が変化しても、業務フローを止めずに追従できる設計になっています。これにより、属人化やブラックボックス化を回避しながら、現場主導で改善を続けられます。

他システムとのオープン連携

エンジニアリングデータはCADや解析結果、Excel、PDFなど多様であり、保存先も一つに限定できません。Aras Innovatorはオープンな連携基盤を備え、他のシステムやリポジトリに保存されたデータも一元的に参照・回覧することができます。これにより、情報の分断を防ぎ、業務全体を通じたスムーズなコラボレーションを実現します。

一度作ったら終わりではなく持続的な成長

システムの制約によって一部をマニュアル化するのではなく、業務の流れを止めないワークフローを構築することが重要です。さらに、導入後も現場の変化に合わせて容易に改修・拡張できるため、持続的な業務最適化が可能になります。

モノづくりの現場は、人事異動や規制の変更、材料の切り替えなど、常に変化にさらされています。こうした変化に柔軟に対応できる仕組みを持つことこそが、長期的な成長と競争力の維持につながるのです。

ワークフローの進捗に応じた権限管理

業務フローが複数の部門や役割にまたがる場合、適切な権限管理は欠かせません。Aras Innovator では、ワークフローの進捗状況に応じて自動的に権限を切り替えることができます。例えば、申請段階では一部の担当者のみが編集可能とし、承認後は参照専用に切り替える、といった制御が可能です。

これにより、情報の改ざんや誤操作を防ぎながら、必要な人に必要な情報を適切に届けることができます。

Aras Innovator は、従来のシステムの枠に業務を押し込めるのではなく、現場の実態に合わせて柔軟に進化できる仕組みを提供します。流れを止めないワークフローを基盤に、オープンな連携、持続的な改善、進捗に応じた権限管理を実現することで、モノづくりの現場に必要な「変化に強い業務基盤」を築くことができます。

現在、Aras Innovator の無料トライアルを実施しています。ぜひ実際に体験していただき、貴社の業務に合ったワークフローをどこまで構築できるのか、その可能性を確かめてみてください。

 製品開発におけるワークフローの重要性

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