Jason Kasper 13 Jan 2022
受け身(Reactive)なビジネスモデルからレジリエント(Resilient)なビジネスモデルに移行するということは、ビジネスを劇的に、または時間の経過とともに順次変更する必要があるときに、迅速に適応できる環境を作成していることを意味します。レジリエントへの移行は苦痛ではありません。適切なチームとテクノロジーが整っていれば、組織はそれを実現するためのツールとプロセスを備えているため、課題に積極的に取り組むようになります。
進行中のビジネス需要はシステムを変化させ、強化し続けていますが、過去には、テクノロジーに関しては、私たちがゆっくりと追い詰められていることを教えてくれました。時間の経過とともに、ビジネス要件が変化するにつれて、システムを少しでも長く機能させるために、システムを強引に押し込んできました。これは最善のアプローチではないかもしれませんが、ビジネスを継続できるように仕事を成し遂げることはできました。戦略的な利点はありませんが、次の6か月または1年のビジネス目標とゴールを達成するには十分です。ただし、このように社内にフォーカスすることで、混乱の対象になります。
これが御社に当てはまる場合、御社のビジネスモデルは古く、あなたが行っていると思う変更は、実行する必要のある本当の仕事と比較して実際には小さいものです。必要な大きな変更には、少数のアイデアだけでなく、組織内外の多くの利害関係者によるコラボレーションが必要です。これは困難な作業のように思えるかもしれませんが、組織が大きな変更を加え、受け身からレジリエントに移行することに成功した例をいくつか示します。
移行している産業界
NuScale社は、原子力発電に対してまったく新しいアプローチを取っています。現場で原子炉を建設する代わりに、工場で建設および組み立てられ、最終的な設置のために現場に輸送される小型のモジュール式原子炉(SMR)を設計しました。これは、原子力規制委員会(NRC)の承認を受けた最初のSMRです。独自の自己完結型モジュール式原子炉は、60メガワットの電力を生成でき、単一の発電所で他のモジュール(合計12個まで)と組み合わせることができます。NuScale社の最初の工場は、2026年に米国で操業を開始する予定です。NuScale社は、製品ライフサイクルを通してグループ全体で継続的なデジタルスレッドをサポートし、最終的にデジタルツインを作成して、製品情報をリンクして顧客の要件やコンプライアンスニーズなどをサポートできるソリューションを選択しました。詳細については、こちらをご覧ください。
Kendrion社は、3つの部門にまたがる複数のシステムを管理しており、そのうちの1つは寿命に近づいていました。以前の買収では、統合する必要のあるツールとプロセスが追加されました。Kendrion社は、DXを実行するために、単一の PLM 環境によって製品開発プロセス全体でトレーサビリティを可能にするデジタルスレッドを実装できるソリューションを探していました。その結果、Kendrion社は要件をエンジニアリングにマッピングし、情報の再利用を増やし、マニュアルの表計算シートベースのプロセスへの依存を減らし、すべての製品情報の可視性を高めることができました。詳細については、こちらをご覧ください。
エンジニアリングおよびテクノロジーの大手企業であるTechnip Energies社は、エネルギー変革戦略を推進するためのプラットフォームとして Aras を選択し、Aras Enterprise SaaS を導入して、完全にデータ中心のプロジェクト手法とツールの導入を実現します。
プロジェクトの構想から設計、実行、運用に至るまでの、プロジェクトライフサイクルの完全なトレーサビリティと最適化の実現を目的としたテクニップエナジーズ社の digital-by-design(デジタルによる設計)アプローチに沿ったこのコラボレーションは、エネルギー業界における効率性の推進と新しい機会の創出を目的としています。これにより、テクニップエナジーズ社のデジタルプロジェクト実行施策を1つのプロジェクトプラットフォームに拡大し、次のことが可能になります。
- データフローの標準化と分野間でのシームレスなコラボレーション
- 過去のプロジェクト情報への容易なアクセスによるエンジニアリングプロジェクトの再利用の促進
- サイクル時間の短縮
- 実用的なレポートのためのデータ統合
- デジタルツインバックボーンの作成
詳細については、こちらをご覧ください。
レジリエントを構築するには柔軟なテクノロジーが必要
もし他社にそれができるのであれば、御社にもできるはずです! 受け身からレジリエントに移行するための適切なソリューションがあるかどうかを理解するために、次の一連の質問を用意しました。これらのいずれかに「いいえ」と回答された場合、足かせとなっているテクノロジーとプロセスから解放されるのは今です。
- 今のプラットフォームはカスタマイズ可能ですか?
カスタマイズしたら、データを失うことなく簡単にアップグレードできますか? 大幅にカスタマイズされている場合でも、柔軟性、拡張性、アップグレード性を備えた基盤となるテクノロジーを備えたプラットフォームを見つけてください。 - 今のプラットフォームはエンドツーエンドのデジタルスレッドを構築できますか?
ソリューションがライフサイクル全体を通じてデータを持続的に接続できることが重要です。つまり、情報サイロを解消し、コラボレーションを促進します。 - 今のプラットフォームは、まだ存在してない(新たな)プロセス要件を満たす柔軟性を提供していますか?
すぐに使えるソフトウェアは今日のニーズを満たすことができるかもしれませんが、明日のデジタルプロセスは今はまだ存在しません。ソリューションは、アップグレード可能性を犠牲にすることなく、絶えず変化するニーズを満たすための柔軟なカスタマイズ性を提供する必要があります。 - 今のプラットフォームは完全なデータの透明性を保証していますか?
データは御社のものです。古いテクノロジーやソフトウェアベンダーのネイティブソフトウェアに囚われたままにするのではなく、御社で責任を持って所有すべきです。 - 今の「プラットフォーム」のプロバイダーは、ひとつの展開モデルに適合させようとしていますか?
展開に関しては、選択肢があるべきです。オンプレミス、データセンター、クラウド、またはハイブリッド展開の組み合わせなど、御社に最適なものを選択すべきです。 - 御社の今の「プラットフォーム」は技術的に進化することが可能ですか?
ソリューションは時間の経過とともに進化し、大規模な再設計の必要なしに、新しく改善されたテクノロジーに適応する必要があります。
結論として、今の御社のテクノロジーが;(1)透過性がない場合、テクノロジーが変化するにつれて、テクノロジー内のデータは透明ではなくなります。(2)進化可能でない場合、選択したソリューションによって特定のテクノロジーに縛られてしまいます。(3)適応可能(常に起きる変化をサポート可能)ではない場合、古くて時代遅れのビジネスモデルから抜け出すのに時間がかかりすぎます。
変化を起こすのあれば、まずはこちらをご参照ください;「デジタルトランスフォーメーション:ソフトウェア アップグレードの遅れが引き起こすビジネスの損失」