みなさま、こんにちは!
アラスジャパン トレーナーの時田です。
今回は、Aras Innovator の便利機能のひとつ「ビジュアルコラボレーション」の設定方法を3回にわたり、ご紹介いたします。
※当機能のご利用には、サブスクリプション契約が必要です。
ビジュアルコラボレーションとは
ビジュアルコラボレーションの機能を利用すると、各アイテムの画面上でそのアイテムに関連するファイル(3Dモデル、PDF、画像)をサイドバーからビューワ表示したり、そのアイテムに関するメッセージのやり取りをしたりすることができます。
また、メッセージのやり取りの際には、ビューワ表示したコンテンツにマークアップしたキャプチャを添付することもできます。
では、任意のアイテムタイプでビジュアルコラボレーションの機能を利用するための設定方法をご紹介していきます。
1. ビジュアルコラボレーションのインストール
【 前提条件 】
Microsoft Visual C++ 再頒布可能パッケージ がサーバにインストールされている必要があります。
必要な場合、Microsoft のウェブサイトよりパッケージをダウンロードできます。
Microsoft Visual C++ 2015-2019 および 2022 再頒布可能パッケージ (x64)
https://learn.microsoft.com/ja-jp/cpp/windows/latest-supported-vc-redist?view=msvc-170
【 PDFビューアのインストール 】
【1】CD Image の「Utilities」の中にある「ArasPDFViewer.zip」をサーバ上に解凍します。
【2】同じくCD Image の中にある「PackageImportExportUtilities」も配置します。
【3】「PackageImportExportUtilities」の「Import」フォルダ内にある「import.exe」を実行します。
【4】以下を参考に PDFViewer パッケージのインポートを行います。
① Aras Innovator の URL を入力します。
②「Login」ボタンをクリックするとログイン画面が表示されるので、適切なデータベースを選択し、Super User(ユーザ名:root、パスワード:デフォルトはinnovator)でログインします。
③ Aras Innovator のバージョンを入力します。
④「PDF Viewer Package」と入力します。
⑤ 先ほど解凍した「ArasPDFViewer.zip」の中にある「imports.mf」を選択します。
⑥「PDFViewer」を選択します。
⑦「Merge」を選択します。
⑧「Thorough Mode」を選択します。
⑨「Import」ボタンをクリックしてインポートを実行します。
⑩ 無事に完了すると「completed」と表示されます。
⑪「Exit」ボタンをクリックしてインポートツールを閉じます。
【5】Administrators のメンバーで Aras Innovator にログインします。
【6】TOC > アドミニストレータ > ユーザ の中にある「PDFTron User」アイテムを開きます。
【7】任意のパスワードを入力し「ログイン有効」にチェックを入れたら、「完了」ボタンをクリックして閉じます。
【8】Aras Innovator のコードツリー内にある「InnovatorServerConfig.xml」を開きます。
【9】</Innovator> タグ内に以下の1行を追加し保存します。なお、「XXX」は先ほど設定した「PDFTron User」のパスワードに書き換えてください。
<operating_parameter key="pdftron_user" value="pdftron_user|XXX" />
【10】再度、Aras Innovator にログインします。
【11】TOC > アドミニストレータ > 機能別ライセンス を開き、以下の2つのアクティベーションキーが適用されていて、有効期限内であることを確認します。
・ベースのアクティベーションキー(Aras.PremierSubscription や Aras.EssentialSubscription 等)
・PDFビューワのアクティベーションキー(Aras.PDFViewer)
なお、Windows 認証をご利用の場合は追加の設定が必要です。詳細は Visual Collaboration Administrator Guide をご参照ください。
2. アイテムタイプでセキュアソーシャルを有効化する
管理者(Administrators のメンバー)は、任意のアイテムタイプでセキュアソーシャル(ビジュアルコラボレーション)を有効化できます。
有効化すると、各アイテムの画面上にディスカッションパネル(メッセージのやり取りを行う)とサイドバー(ファイルをビューワ表示する)が表示できるようになります
【1】Administrators のメンバーで、Aras Innovator にログインします。
【2】TOC > アドミニストレータ > アイテムタイプ から任意のアイテムタイプを開きます。
【3】「セキュアソーシャルを有効化」ボタンをクリックします。
【4】セキュアソーシャルを有効化したアイテムタイプの任意のアイテムを開きます。
【5】画面右上の「ディスカッション」ボタンをクリックするとディスカッションパネルが表示され、コメントが追加できることを確認します。
続いて、リレーションシップや Item 型プロパティでアイテムに関連付けされているファイルをビューワ表示できるようにします。
【6】アイテムタイプを開き、「編集」ボタンをクリックして編集モードにします。
【7】「セキュアソーシャル」タブでアイテムを選択して右クリックし、セキュアソーシャル > 開く をクリックします。
【8】ディスカッションテンプレートが開いたら「編集」ボタンをクリックします。
【9】「フィードテンプレート」タブを開き、「フィードタイプ」が「掲示板」のアイテムを選択して右クリックし、フィードテンプレート > 開く をクリックします。
【10】フィードテンプレートが開いたら、「編集」ボタンをクリックします。
【11】「ファイルセレクタテンプレート」タブを開き、行を追加します。
【12】「参照」列に、表示したいデータにアクセスするためのパスを以下のフォーマットで入力して保存します。
・ 「リレーションシップタイプ名(プロパティ名)」 (例: Document File(related_id))
・「Item型プロパティ名」 (例: attachment_file)
【13】ディスカッションテンプレートやアイテムタイプも保存します。
【14】アイテムの画面に戻ると、サイドバーにアイコンが追加されていることを確認します(ファイルがアイテムに登録されている場合)。
【15】アイコンをクリックしファイル名を選択すると、PDFおよび画像ファイルがビューワ表示されることを確認します。
なお、3Dモデルファイルをビューワ表示するための設定は、近日公開予定の「ビジュアルコラボレーションの設定方法のご紹介②」でご説明します。
また、「ビジュアルコラボレーションの設定方法のご紹介③」では以下をご説明します。
・関連先アイテムをたどってメッセージやファイルを集約表示するための設定
・通知設定 など
それではまた次回、こちらでお会いしましょう。
アラスジャパン トレーナー 時田 和佳奈