先日、Aras Innovator の Release 32 がリリースされましたので、今回のブログでは Release 32 の主な機能強化ポイントをご紹介いたします。

過去のリリースの機能強化ポイントは、以下よりご参照ください。
Release 31 の機能強化ポイント
Release 30 の機能強化ポイント

Release 32 の機能強化ポイント

Release 32 からは Microsoft ASP.NET Core/.NET: Runtime and Hosting Bundle 8.0.1 が必要です。
インストールまたはアップグレードされる場合は、事前にインストールをお願いします。

1. Release 32 のログイン画面のご紹介

Aras Innovator Release 32 のログイン画面は、以下のデザインに刷新されました。

2. レスポンシブフォームに対して、より柔軟にルールを設定できるようになりました

Release 32 から、レスポンシブフォーム上の各フィールドに対して、背景色と文字の色を自由に設定できるようになりました。

また、AND条件・OR条件、条件のグループ化を利用し、より柔軟かつ複雑な条件設定もできるようになっています。

3. 表示モードやアイデンティティ、サブクラスに応じて、レスポンシブフォームを切り替えられるようになりました

Release 31までは、従来のクラシックフォームでのみ、表示モード(新規作成/参照/編集など)、アイデンティティ、サブクラスに応じてフォームを切り替えることができましたが、Release 32 からはレスポンシブフォームでもこれらの切り替えが可能となりました。

4. レスポンシブフォーム上のImage型フィールドの操作性が向上し、サイズ設定も可能になりました

レスポンシブフォーム上でImage型のフィールドをクリックすると、登録されている画像をオリジナルのサイズで参照することができたり、フォーム上から画像を直接クリアしたりできるようになりました。

また、レスポンシブフォーム上でImage型フィールドを表示する際のサイズ設定も詳細に行えるようになっています。

5. レスポンシブフォームに設定したルールもパッケージ化されるようになりました

レスポンシブフォームにルールを設定していた場合、そのフォームをパッケージに追加または更新すると、ルールも自動的にパッケージに含まれるようになりました。

6. Technical Document において、参照先のアイテムを開かずに直接編集できるようになりました。

各Technical Document の画面上から、参照先のアイテムを開かずに直接編集できるようになりました。


なお、この編集機能はデフォルトでは「無効」になっているため、利用される場合、変数アイテム「tp_ExternalEditMode」に値を設定していただく必要があります。

詳細は「TDF Administrator Guide.pdf」をご参照ください。

7. Technical Document に対して、List型・Item型プロパティも埋め込めるようになりました

これまで Technical Document 内に埋め込めるプロパティのデータタイプは、String・Text・Numeric(Integer, Decimalなど)・Date・Boolean・Imageでしたが、Release 32 からは、ListとItemも埋め込み可能となりました。
なお、埋め込んだプロパティのデータをTechnical Document の画面上から編集することもできます。

なお、この機能を利用するには、Technical Document のスキーマの編集が必要です。詳細は「TDF Administrator Guide.pdf」をご参照ください。

8. 「onSearchDialog」イベントが構成されているItem型プロパティではタイプアヘッドが無効になりました

onSearchDialog」イベントが構成されているItem型プロパティは、タイプアヘッド(Type-ahead、入力補完機能)を利用してフォーム上から入力することはできなくなり、必ず検索グリッドを開いて値を選択する仕様に変更されました。

9. Configurable Web Serviceの認証に用いるHTTPヘッダーを自由に構成できるようになりました

Configurable Web Serviceへのリクエストに対して、任意のHTTPヘッダーでAPIキーを渡すことができるようになりました。これにより、認証の選択肢が増え、使用可能なHTTPヘッダーが制限されているクライアントアプリケーションからも利用可能になります。

なお、Configurable Web Service(CWS)の設定方法に関する詳細は、「CWS Administrator Guide.pdf」をご参照ください。※このあとご紹介するCWSの他機能についても同様です。

10. Configurable Web Service または REST API を使用してトランザクションをバッチで実行できるようになりました

Configurable Web Service または REST API を使用してトランザクションをバッチで実行できるようになりました。これにより、個々のサーバ呼び出しの数が減り、失敗したリクエストのトランザクションのロールバックが改善されます。

例えば、Getリクエスト・Postリクエスト・Deleteリクエストをひとつのバッチリクエストにまとめ、一度にパーツの作成と削除を行うことができたりするようになりました。

11. Configurable Web Service でシステムプロパティを上書きできるようになりました

Configurable Web Service(CWS) で専用のスコープを設定してAPIキーを構成することでAras Innovator のシステムプロパティを上書きできるようになりました。これにより、通常のAMLまたはREST呼び出しでは変更できないプロパティに値を入力できます。

12. Configurable Web Service でファイルのアップロードが簡素化できるようになりました

Configurable Web Service でファイルをアップロードするためのエンドポイントが提供されるようになりました。このアップロードエンドポイントを使用すると、1回のリクエストでファイルのアップロードが可能になります。

13. Configurable Web Service でOAuth 設定が可能になりました

新たにリリースされた Aras OAuth Registry コンポーネントを使用して、各Webサービスに対して有効なOAuth設定が構成できるようになりました。詳細は、Aras OAuth Registry コンポーネントに同梱されている各種マニュアルをご参照ください。

以上、今回のブログは Release 32 の主な機能強化ポイントをピックアップしてご紹介させていただきました。
さらなる詳細は リリースノート をご参照ください。

また、日本語ランゲージパック もぜひご利用ください。