Bruce Bookbinder 2 Mar 2022
エンタープライズ PLM システムに対するクラウドの実質的なメリットについては多くの議論がありましたが、この会話には、長期的なビジネス変革の成功にとって同じように重要な別の要素があります;それはクラウドにて SaaS サービスを利用して、完全なPLM環境を最適化するために必要な専門知識、コンプライアンス、およびスケーラビリティを提供するということです。
今日の PLM の世界には変化が起きています。最悪の状況が発生しており、PLM ビジネスと IT のステークホルダーは、現在の立場を再評価し、将来の成長に適したところにいるかどうか疑問に思うようになっています。
まず、新しい DX 戦略が毎日定義され、IT 部門による作業の需要が高まっています。これらのイニシアチブは通常複雑であり、内部のビジネスプロセスと関連システムにかなりの変更を加える必要があります。今日の PLM は、部門の枠を超えたビジネスプロセスにおいてこれまで以上に大きな役割を果たしているため、PLM ソリューションは大きな影響を受けています。 PLM は、デジタルバックボーンを提供することにより、組織全体の DX 戦略を実現する重要な要素です。
第二に、今日実用されている多くの(ほとんどではないにしても)PLM システムは課題に対応していません。 CIMdata の PLM アップグレード調査によると、シーメンス ユーザの回答者の 3分の1 と PTC ユーザの回答者の 23%が 15年以上アップグレードしていませんでした。また、ダッソー・システムズのユーザの回答者の半数は、少なくとも 10年間アップグレードしていませんでした。 これは、これらのシステムがすでに古いバージョンのソフトウェアが使われていることを意味します。調査の参加者は、これらの PLM ソリューションをアップグレードするために平均 11〜14か月の所要時間を報告しているため、短期的な修正ではありません。ソリューションを最新の状態に保つために投資を行ったお客様は、各アップグレードのメリットが努力に値するかどうか、および長期的にアップグレードするためのより良いアプローチがあるかどうかを判断する必要があります。
最後に、従来の PLM ソリューションは、企業固有の要件を適切に処理していませんでした。大規模な組織では企業固有の要件を満たす必要があるため、多くのレガシー PLM システムでカスタマイズが「クリエイティブに」実行されてきました。これらのカスタマイズの多くは維持が困難であり、上記のようなアップグレードの問題が発生し、今日の PLM システムの奥深くにかなりの量の技術的負債が潜んでいます。数え切れないほど多くの IT 担当者は、DX 作業の新しい波が彼らの道を進んでいることと、それをどのように実装できるかについて考えて眠れなくなっています。
少しの SaaS を備えた PLM
この状況により、PLM システムのユーザは現在の状況を再評価する必要があります。正しい PLM ソリューションを使用しているか。今こそクラウドに移行する時か。そして最も重要なのは、どうすればこの状況を再び回避できるか。
クラウドがすべてのシステムの将来の姿であるということについては多くの議論がなされてきましたが、SaaS製品の価値も同様に考慮することが重要です。多くのアプリケーションにまたがる拡張デジタルスレッドを備えた PLM システムの複雑さの増大、新しいクロスファンクショナル領域でのグローバルユーザーの大幅な増加、およびセキュリティとパフォーマンスの向上の必要性は、PLM 展開のサポートのレベルがはるかに高いことを意味します。今日の DX の取り組みの要件をサポートするには、PLM ソフトウェアに関する専門的な知識と経験、およびそのインフラストラクチャ内でそれを最適化する方法が必要です。
CIMdataは、eBook 「Leveraging the Cloud for Global Market Success」(英語)でこのことについて説明しています。
「私たちの調査とコンサルティングの経験によれば、CIMdata は、クラウドで提供される SaaS ソリューションの柔軟性と拡張性が、企業が DX の計画を実行するのに大いに役立つと信じています。ここで説明するすべての要因が、PLM ソリューションを含め、あらゆる規模の企業があらゆる業界でクラウドの採用を促進しています」
もう1つ考慮することとして、SaaS ソリューション自体です。すべての PLM SaaS 製品が同じように開発されているわけではありません。多くの PLM は、企業が特定の要件を満たすようにソリューションをカスタマイズすることを制限または阻止しますし、オンプレミス版のソリューションと比較して機能が制限されているものもあります。ソリューションが古く、将来の戦略に合わせて変更できるように構築されていない場合、現在と全く同じところから動けないことに気づくはずです。
Aras Enterprise SaaS
Aras が Enterprise SaaS ソリューションを開発する際にコミットしたことは、オンプレミスの PLM ソリューションと同じレベルの完全性とレジリエンス性をクラウドで提供することでした。Aras Enterprise SaaS だけが、システムズ エンジニアリングとデジタルスレッドのフル機能を備え、ビジネスに即応したSaaS 型の PLM 環境を提供します。 これらの機能を 1つにまとめたサービスにより、組織は DX に備えることができます。Aras Enterprise SaaS の最も重要な機能は、顧客に定期的なアップグレードを提供しながら、アプリケーションをカスタマイズし、クラウドで新しいアプリケーションを構築できることです。これは、Aras のレジリエントなプラットフォームだからこそ実現できることです。
PLM SaaS の取り組みと CIMdata によるAras Enterprise SaaS の分析の詳細については、CIMdata社 の解説「Fully Configurable SaaS on the Cloud」(英語)をご参照ください。
また、2022年3月23日の米国東部時間 午前11:00(日本時間 24日 午前零時)に、CIMdata の社長兼 CEO であるPeter Bilello氏をお迎えして特別ウェビナー「Is Fully Configurable SaaS for PLM possible on the Cloud?(PLM用に完全に構成可能なSaaSはクラウド上で可能か?)」(英語)を開催予定です。そこでは、SaaSのメリットと、SaaS サービスを通じて提供されるPLMが、変化し続ける企業のビジネスニーズを満たすために必要な構築性、柔軟性、およびレジリエンス性について解説される予定ですので、ぜひご参加ください。
こちらは、英語ブログ記事を「Is SaaS the Key to Your Future PLM Success?」を元にしたものです。